八ヶ岳の朝
快晴とはいかないが、赤い太陽が雲の切れ間から顔を出してくれました。
夏沢峠から硫黄岳に登る急登の途中で、しばし東の空を見つめる。
南八ヶ岳に登るのは今日が初めてだ。
比較的登り易く見晴らしのいい硫黄岳から八ヶ岳の主役達を見てみたい。
きっと豪快な姿が見れるでしょう。
今日は早起きして登ったら、早い時間に下山する。
下山後は気の向くままにぶらぶら旅。
何処に行くかは降りてから考えればいいや・・
前編 北八ヶ岳の南へ(天狗岳) はこちら
午前3時半
オーレン小屋の寝床から起床。
ザーザー音がするんだが・・・・・
まさか、雨?
外を見ると地面が濡れてる訳じゃない。
そうか、沢の音か!
良かった・・・
(ホントにザーザー雨降ってたら、このまま下山しようかと真剣に考えた)
1階の薪ストーブ脇で身支度を整えていると、小屋のご主人が現れた。
いつもこんなに早く起きられるのだろうか?
起こしてしまったのなら、ごめんなさい。
前日に頼んでおいたお弁当を受け取り、外で オーレン強清水 を空になったペットボトルと1ℓサイズのplatypusに汲む。
まだ真っ暗なので、ヘッドランプを装着し点灯。
午前4時 硫黄岳に向けて出発。
こんなに早く出発するのは日の出を見たいから。
この季節は日の出が5時くらいのはずだから、山頂で見るのは間に合わないだろう。
途中でも見れればと思うが、その瞬間に東の空が見える場所にいるかどうか・・
暗闇の中、まずは夏沢峠に向かう。
夏沢峠までの道は、昨日往復して何となく特徴あるポイントを記憶しておいた。
いくらヘッドランプを点けても夜中の樹林帯では廻りの景色はよく見えないから道中不安になるだろうと思い、要所要所記憶と合致させながら進んだ。
暗い森の中、足下と道の先を交互に照らしながら夏沢峠を目指す。
聴こえるのは自分の足音と、ザックに付けた熊鈴のチリンチリン♪ という音だけ。
丸太の水切りを越えたから、夏沢峠はもうすぐだ。
4:30 夏沢峠
まだ薄暗く月も見えるが、雲海と夜明け前の赤い空が見えた。
この景色で栄養補給された |
今日はここから南へ向かう。
すぐそばの 山びこ荘 を過ぎると、硫黄岳に向けた樹林帯の登りが始った。
(ここまでほぼ写真抜きで文章で表現しようとしたせいか、文学的になっちゃった・・・この後 空が明るくなると、だんだんノリが軽くなる)
夏沢峠から15分くらい歩くと、早くも森林限界を越えてハイマツ帯になってきた。
急登をひたすら つづら折りで右へ左へターンしながら登るが、浮き石が多くて気を使う。
写真の明るい部分はヘッドライトの灯り |
しばらく登ると、かなり空が明るくなってきた。
もうヘッドランプの灯りが無くても廻りがよく見える。
突き出した岩の脇を抜ける。
道は黒い岩のかけらで敷き詰められているが、どれも踏めば動くので歩幅を小さくゆっくりと進む。
ここからでは東の空が見えない。
日の出は間もなくだが、こんな道で焦ってはいけないと気持ちを抑えて1歩1歩確実に進む。
西の眼下に出発したオーレン小屋が見えた。
凄い! あたり一面のガレ場だ。
所々ポールが立っているし、歩く所は少し石が掃けているので道を見失う事は無い。
ただ、かなり斜度がある場所なので道はまだまだつづら折り。
今歩いてるのは、この辺です。
昨日 根石岳から撮った写真 |
更に5分程進むと、東の空が見えて丁度日の出を迎えた。
そして冒頭の場面
雲が多いものの、肉眼では眩しくて太陽の丸い形まではっきり見えなかったが、カメラの露光量を落とすと丸い太陽の一端が見えた。
こんなに高い場所から見たご来光は初めてなので、一つの目標が叶った。
おはようございます!
いつか快晴の空と雲海から浮かび上がる日の出を見たいなぁ・・・
飛行機の窓からではなく、自分の足で地面に立って風を受けながら見るのがいい。
さぁ、ご来光パワーも貰ったし、山頂を目指しましょう!
そこの岩、お願いだから動かないで・・
そう簡単に動く訳無いけど。
下から見るとすごく不安定に見える岩 |
硫黄岳 名物 ケルンの並びに来ました。
霧で視界が悪い時の目印。
いよいよ爆裂火口の淵が見えた。
ここは肉眼で見ると凄いですよ。
ついつい、何枚も写真撮ってしまう。
そして、
5:41 標高2760m 硫黄岳 山頂に着いた!
硫黄岳から続く先には、横岳・赤岳・阿弥陀岳
遠くに権現岳まで見える。
上から見下ろす爆裂火口の高度感はすごい。
近づきすぎるとホントに危ないので、当たり前だがロープの手前から撮ってます |
では八ヶ岳のスター達を眺めながら、朝食といきましょう。
オーレン小屋 特製弁当 おにぎり2個と漬け物(300円)
おにぎりは、梅肉とショキショキした歯ごたえの何か。
(漬け物のみじん切りっぽい)
梅の酸味がうまいなぁ
でも山頂の朝は8月でも寒い。
10℃ちょっとじゃないかな?
ここから街まで下山したら温度差20℃か・・・
おにぎり食べながら30分くらい景色を眺めて下山
三角点確認!
帰りは 赤岩の頭 に寄ってから降りる
少し急な場所ですが、浮き石を踏まない様にしっかり足下確認しながら降りれば大丈夫。
下に降りてから撮ってます。(上からの写真だったら怖い) この写真だと結構な斜度に見えなくもないが、写真の見た目よりは緩い |
昨日登った天狗岳を始め遠くの蓼科山まで見えた。
こう見ると手前の箕冠山はすごい平坦だな。
硫黄岳の稜線に並ぶケルンが、シルエットになってとても印象的
横岳 山頂(奥ノ院)から突き出た小同心と、手前にニョッキリとした大同心
もっと凄い所に建ってる 赤岳頂上山荘
八ヶ岳の最高峰は山荘の屋根だろうか?
赤岩の頭 に来た
白い砂と赤茶色い砂が見事だわ。
赤岩の頭からもいい景色なのですが、
まだ日も当たってないし、霞んでて辛い・・・
横岳から赤岳への稜線だけでも撮っておこう |
赤岩の頭 からは桜平から見た 峰の松目 に行けるのですが、
途中は結構急登らしいし、登っても木に囲まれてる様なのでやめときます。
まだ7時だけど、下山してぶらぶらしますか。
と思って硫黄岳から横岳への稜線を見た時に、思わず撮った1枚。
今回1番のお気に入りかもしれない。
横岳を目指す登山者 |
ここからオーレン小屋方面に向かう。
ここからのルートはちょっと狭くて急なので、ゆっくり降りよう。
樹林帯に入ると良く見かける赤いキノコは、ベニタケの一種かな。
綺麗な苔の中からピンク色がにょっきりと。
8時頃 オーレン小屋前のテント場「だけかんば キャンプ場」まで降りてきた。
下山するのも喉が渇くし、オーレン小屋で 冷たい水を汲み直してから出発。
下に降りるのが何となく寂しいね・・
8:35 夏沢鉱泉前まで来た。
お風呂に入ろうかと思ったが、昨日から汗だくのシャツに替えが無い。
(着替えは車の中にある)
せっかく汗を流しても汗だくのシャツを着るのは忍びない、その上この先まだ汗をかく・・・いや、そもそも営業は10:00〜のはずだ。(看板は出てたから入れる??)
積み上げられた石を流れ落ちる滝を見ながらしばし悩んだが、通過する事にした。
夏沢鉱泉さん、またの機会に寄ります・・・
滝の前に咲いてた花
何とかアザミ かな |
ヤマホタルブクロ |
ふぅ〜〜 お疲れさまでした!
登山口ゲートの前から車停めてある場所までの登りで、汗だくになったりして・・・ |
山の神まで降りてきて、無事下山を報告しました。
さぁ、着替えもあるし温泉に行こう!
目指すは去年の10月 北横岳の帰りに寄った 河童の湯。
ここから30分もかからない。
嬉しくなるね。
あぁ〜 爽快であります! |
河童の湯ときたら、次ぎはここだろう。
手打蕎麦 登美 ここも再訪 |
天せいろのお蕎麦を十割にしてもらった♪ (+150円)
前回と変らず ほんのり甘みのある美味しいお蕎麦。
えびの天ぷらも美味い。(尻尾までバリバリ食べた・・)
天ぷら用に、天つゆと抹茶塩が付いてます。
あと、これが楽しみでした。
そばアイスクリーム!
ご馳走様でした。
登山後の温泉と蕎麦は格別ですな。
それにしても下界は暑いぞ・・・
とにかく上に行こう。
下山したばかりなのに、車で標高の高い所に逃げる。
国道299号を走って辿り着いたのはここ
標高2100mなので涼しいね |
思いっきり北八ヶ岳の真ん中じゃねぇか!
(はは、また山の中に戻って来ちゃった・・)
まっ山の中ではあるが、国道沿いなので観光地です。
勿論ここから色んな山へ行けるので、トレッキングコースの交差点でもある。
(偉そうに書いてるが、俺も初めて来たんだけどね・・・)
駐車場代(500円)払って車を停める。
小さいザック背負ってカメラを持ち、白駒池の散策へGO!
靴は普段履きのローカット軽トレッキングシューズ履いてるから問題無し。
観光客の中にはパンプスのおばさんとか革靴のおじさんもいたが、せめてスニーカー履いた方がいいですよ。
国道から奥に入ると、すぐにカラマツと苔の森。
早くも森の香りがする |
10分くらい進んだ分岐に看板あり。
では白駒池を1周しますか。
高見石小屋まで行きたくなるが、欲張らず次にとっておきましょう。
すぐに白駒池のほとりに着いた。
天気は良くないが、いい雰囲気の池。
ここから半時計回りで1周してみよう。
あれ? ナナカマドって夏でも赤くなるんだ。知らなかった。
ナナカマド だよな? |
ボート乗れます
道は少し池を離れて奥へ
もう、北八ヶ岳に来ました! って感じ。
ひたすら木道が続く。
濡れてると滑るので下りは注意。
青苔荘 付近 ナナカマドの森
再び池のほとりへ
ちょこっと見えるピークは ニュウ(2352.2m) かな?
かなりガスってきたが、それはそれで いい雰囲気。
短い時間でしたが 白駒池 良かったです。
ここは気軽に北八ヶ岳の雰囲気を味わえるので、
登山まではちょっと・・と言う方にもオススメ!
さて、まだ1時半前だ。
(朝起きてから10時間くらい経ってるけど)
白樺湖方面でもドライブしてから、早めに宿に行ってビール飲むかな。
う〜ん白樺湖周辺は車が多い・・
途中で霧ヶ峰が見えてくると ついつい行きたくなったが、絶対混んでると思って自制。
結局3時過ぎに宿へチェックインし、もう一回お風呂に浸かってからビ〜ル。
最後は健康的な夕食にしよう・・・
「カナディアンロッキー」 アゲイン!
また来ちゃった。
今回も ラムとビーフのダブルステーキ 実に健康的だ! |
と言う事で締めのディナーも楽しみ、翌朝家路につきました・・・
今回もいい旅になって良かった。
心残りがあるとすれば、八ヶ岳の動物達には逢えなかった事かな。
また来ればいいか。
では
前編 北八ヶ岳の南へ(天狗岳) はこちら